ー闘病記8ー

検査後は身動きできずエコノミークラス症候群になり易いので、 血栓ができないように弾性ストッキングというものを履かされまし​た。

ハイソックス位の長さのつま先と踵がないトレンカのようなソックスです。

弾性と言うので、凄くサポート性がある物を想像したのですが、 意外と柔らかく伸縮性がありました。

足の付け根の動脈を切ったので動くと血が止まらなくなるので、 絶対安静、安静にしていると血栓ができる。

ソックスを履くだけで予防できるならおとなしく履いていましょう​!

看護師さんのされるがままになって、いうことを聞くことにしまし​た。

夜中ですが、絶対安静の時間が終了し動脈を抑えていた絆創膏を剥がす時がきました。

オレンジの香りがするオイル状の液体をかけて、絆創膏をはがして​くれました。

これをかけると絆創膏のネバネバが残らないようです。

まだ歩いてはいけないのですが、これで寝返りはできるので一安心です。

翌日は退院なので安心して眠りました。

さて翌日、朝、熱を測ったところ少し熱がありましたが、特に何も​言われませんでした。

主人が来て退院手続き、先生の診察がおわり、いざ帰ろうと思ったら、 すこし頭痛がするので、看護師さんにうったえるともう何もすることがありませんとのことだった。

これから新幹線に乗って帰るので、気合をいれて病院を後にしました。

本入院は5月9日になりました。

一週間後にまたここに来なくてはいけないのです。

それまでうちでゆっくりすることにしました。

ー闘病記7ー

検査入院は、4月の30日から5月の2日の3日間です。

ゴールデンウイーク中の入院で今回のドールショウは見に行く事が​出来なくなりました。

入院当日は二人で行くことが出来ないので、一人で入院することになりました。

名古屋駅から名鉄に乗り換えができるか不安でしたが、予定の時間より一本早い電車に乗ることが出来、順調な滑り出しです。

病院に着くと、病棟からお迎えが来て希望していた2人部屋に案内して貰いました。

同室の方は今日退院だそうで、二人部屋にひとりで過ごすことにな​りました。

入院当日は特になにも無く、オリエンテーションだけで終わりまし​た。

翌日は検査です。

血流を止めるために脚のつけ根の動脈からカテーテルを入れ、 バルーンを膨らませて15分間血流を止められるか確かめる検査で​す。

検査をしてくださる先生は30代の少し若めの血管専門の先生です​。

笑点の座布団を運ぶ山田君にちょっと似た感じの童顔の優しいH先​生です。

いよいよ検査当日、手術室に行くのかと思ったらCTやMRIを撮るようなお部屋でした。

私の頭の上あたりにモニターのようなものがあるらしく、 みなそこを見ながら話していました。

いざ血流を止める時が来ました。

ただいま5分経過です.10分経過です。と看護師さんのカウントダウンに無事クリアーできますようにと皆祈りながら聞いていました。

そこにいた先生達は後に本入院した時に担当医となるM先生やその上司のW先生もいたのです。

無事血流を止めることが出来、カテーテルを抜いた右脚を押さえていたW先生はゴッドハンドと呼ばれて照れ臭そうにしていました。

左脚にはまだカテーテルがはいっていたので、M先生が脱いてくれ​ましたが、 抑え方が強くて少し気持ちが悪くなりかけました。

ゴッドハンドと普通のハンドとの違いはそこなのかなぁと考えていたら気持ちが悪いのもおさまりました。

  動脈を切っているので7時間絶対安静、足を曲げてもいけませんときつく言い渡されました。

堅いベッドで寝返りも打てないのはつらい! 翌日は退院、一晩我慢だー!

ー闘病記6ー

 

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さて、半月後の診察の日です。 新幹線で名古屋まで行き、名鉄に乗り換え約15分そこからバスで​さらに15分かかります。

大学と病院以外何もないような所です。

脳神経外科の待合室で待つ事◯時間、やっと名前が呼ばれ診察室へ​。

副院長先生はこの大学病院を昨年定年退職したあと川崎の病院の副院長になったようです。

今でも月に二回はこちらの病院で診察しているようです。

診察室にはいると先生が笑顔で迎えてくれました。

動脈瘤の手術には大きく分けて2通り有ります。

1つ目はクリッピング術で頭をギコギコかち割り、脳を掻き分け動​脈瘤を探し見つけたらその瘤を洗濯ばさみのような物(あとでMR​Iも使えるようにチタン製です。)ではさみます。

はさんでしまえばもうそこが破れる心配がなくなります。

かなり恐ろしげな手術ですがこの方法は歴史もあり脳動脈瘤の手術としては一般的です。

2つ目はコイル塞栓術で脚の付け根の動脈からカテーテルを動脈瘤​まで入れてコイル(細い針がねみたいな物)を動脈瘤につめ込んで塞いでしまう方法です。

こちらはまだ歴史が浅いのですが、なにせ頭を開ける必要が無いので痛みも少ないし傷跡も残らないし早く退院出来るし、

良いことだ​らけですが使えるケースとダメなケースがあります。

私の場合、動脈瘤が大いのでコイル塞栓術は使えず頭をかち割ってクリッピング術をする事になりました。

また、私の場合、動脈瘤が大いので普通より手術が難しく手術中1​5分間程度血流を止めて手術するそうです。

脚の付け根の動脈からカテーテルを入れ頸動脈あたりでバルーン(​風船)を膨らまし血流を止めます。

ただ、脳の血管には個人差があり血流を止めることが出来る人と出来ない人がいるそうでそれを検査で確かめるそうです。

そのため4月末に3日間検査入院することになりました。 

ー闘病記5ー

3月22日から24日の3日間、検査入院です。

初日は検査もなくシャワーを浴びて計画停電のために真っ暗な中、 夕食を頂きました。

翌日は検査の日です。

午前中に検査が終り、脳動脈瘤のクリッピングで有名な副院長先生​が診察して下さるので、ご主人も一緒にいて下さいというので、慌てて主人を呼ぶことにしました。

副院長先生は、クリッピング手術​を行った数がギネスブックに載るほど高名な先生なのだそうです。

偶然にも高名な先生がいる病院を紹介してもらえるなんてラッキー​な事なのでしょうか!

主人が病院に着き、先生から呼び出しが来るまでしばし待機、 スーパードクターとして何度もテレビ出演もしている先生ですが、

高名を鼻にかけたところがなく、とても優しい先生でした。

ただ、私の動脈瘤は30ミリもありとても大きいため普通の病院で​は手術が出来ません。

診察に主人まで呼んだ意味が分かりました。

先生が昨年まで勤めていた名古屋の大学病院で手術する事になりました。  

正式な病名は未破裂巨大脳動脈瘤。 25ミリ以上だと名称に巨大がつき、英語だとgiantになります。

いろいろ説明していただき、ここまで大きい脳動脈瘤だと小さい頃​からできていたはずだということですが、気付かずに呑気に暮らしていた私です。

破裂したら即死に近い状態になる大きさなのだそうで興奮すること​が一番行けないのだそうです。

知らないうちは、泣いたり笑ったり怒ったりしていましたが、知っ​てしまうと爆弾を抱えたまま生活しているようなもの。

怒るな!興奮するな!と自分に言い聞かせて過ごすしか無いのです​。

大学病院での初診の日を決めて頂き、ビタミン剤を2ヶ月分貰いました。

血管をプルプルにするお薬だそうです。

そして翌日に退院しました。

大学病院での診察は4月の半ばです。

それまでは大人しく暮らす事​にしました。

ー闘病記4ー

眼科では視野検査の他にいろいろ検査をしていたら網膜穿孔があることがわかりました。

網膜穿孔とは網膜剥離の一歩手前で、一刻も早く手術をした方が良いとのことなので、お願いすることになりました。

手術自体は目にレーザーを当てるだけということなので、20分程で終りました。

思いも掛けない手術を行い動揺しながら帰途につきました。

次はMRIですが予約は3月11日の15時で30分前には来て下さいとの事でした。

そうですあの地震の日なのです。

ちょうど地震があった時間に私は検査着に着替えるため更衣室にいました。

壁にかかっているハンガーがカタカタといっているので手で止めましたがまたカタカタと動きはじめました。

するとそのうち足元が揺さぶられているような感覚がして来ました​。

そこでやっと地震だということに気付きました。

更衣室を出ると女性の検査技士さんが出て来て大丈夫ですかと声をかけてくださいました。

なかなか揺れがおさまらないので、技師さんは私の手をずっと握ってくれていました。

MRIやCTのある場所は病院の3Fで耐震構造にはなっているためかなり長い間揺れていました。

携帯で家に連絡しようにも通じなくなってしまいました。

3Fにいた人がエレベーターフロアに集まって来ました。

皆不安そうな顔をして手摺りにつかまったりしていました。

エレベーターは止まり、階段で上り下りをしてくださいと病院のスタッフは声をかけていました。

結構たくさんの人がいたので少し心強い気がしました。

長かった揺れがやっと収まり集まっていた人も元いた場所に戻り始めやっと検査のことが考えられるようになった時、技師さんが今日​の検査を続けるかを聞いてきました。

頭のMRIなので頭を固定するのでまた揺れたら怖いので、検査日を来週に変更してもらうことになりました。

3月17日に改めて検査をしました。

検査は一時間程かかりましたが無事終了。結果は…。

血管も撮す検査をしたそうで、今まで頭蓋咽頭腫だと思われた物は​実は動脈瘤なのだそうです。

未破裂動脈瘤と言う病名に変わってしまいましたが、これが正式な​病名だそうです。

頭蓋咽頭腫と言われた時に手術日は3月24日に決まっていましたが、 動脈瘤だと手術方法もまったく異なるので、手術は延期になりました。

再度造影剤を使ったCTを撮るため22日から3日間入院する事になりました。

ー闘病記3ー

近所の整形外科でMRIを撮ってもらい、画像を脳外の先生に渡す​と早速診断してくれました。

「CTだと下垂体腫に見えたけれど、MRIの画像だと頭蓋咽頭腫​みたいだね。」

先生の先輩にあたる人が川崎の病院で週に一度診察しているので その先生に紹介状をかいてくださる事になりました。

ご紹介頂いた先生はテレビにも出ている有名な先生らしいです。

紹介状を持っていざ、川崎の病院に。

人当たりの良い優しい先生でした。

頭蓋咽頭腫とは頭と首の骨の付け根すなわち脳の中心部にできた腫瘍です。

手術は開頭し腫瘍を摘出する方法もありますが 体に負担の少ない(低侵襲といいます。)内視鏡での手術が得意な​先生で その方法で行うことにしました。

頭に五百円玉程度の穴を開けそこから内視鏡を入れて腫瘍を取ります。

内視鏡では完全には取り切れないので場合によってはガンマナイフ​等の放射線治療を術後行います。

眼科で受けた検査の結果と整形外科で撮ってもらったMRIの画像を持参したのですが、改めて血管も写るMRI検査をすることになりました。

翌週に視野検査を、MRIは3月11日に受ける事になりました。

ー闘病記2ー

下垂体腫の場合は開頭してのオペではなく鼻の奥の頭蓋骨に穴を開​け そこから内視鏡で腫瘍を摘出するオペになるそうです。

開頭しないので入院も1週間程度、危険も少ない手術と伺いました​。

ただ、下垂体はホルモンの生産を司っていますので ホルモンバランスが崩れる等の後遺症が出る可能性もあるそうです​。

「下垂体腫の手術で日本一の先生を紹介してあげるから大丈夫だよ​」と 近所の脳外の先生がおっしゃいました。