ー闘病記11ー
手術後、NCU(脳外科専門のICU)へ入りました。
目が覚めるとS先生が人差し指を出して「手を握ってごらん」というので、 思いっきりぎゅっと握りました。
握る事が出来るようならOKのようで、良々とうなづいていました。
『呼吸器はしばらく付けたままにしておくから、いいね?』と言われましたが、 硬いプラスチックのようなものが喉の奥に当たってとっても気持ちが悪く、
舌で動かそうとしたら、外れてしまったようで、ピーピーと警報音が鳴ってしまいました。
外さないでねと言われても、口の中の異物は我慢ができない!しゃべれない!
S先生が「あなたの手術は大変だったんだよ!
瘤が動脈硬化していてとても薄くなっていて、 手術中に破れてしまったんだよ、
止血したけれど血栓が飛んでしまったので、少し心配なんだ。」と言うのですが、生きて帰って来れて良かったと先生の顔を見ながらうなずいていました。
手術は病室を出てからNCUに帰るまで13時間かかったそうで、 その間は麻酔で眠っている私より主人の方が色々あったようです。
普通、術後は一般病棟のナースセンターの隣室に入るのですが、 私の場合は自室に帰れました。
ここから、また絶対安静がはじまります。
前回の検査とは違い今回は頭を開けているので、仰向けで寝るのは苦痛でした。
固いまくらに頭をのせろと言われてものせたくない!
ずっと同じ姿勢なので背中が痛くなりその度に看護師さんに枕を背中にはさんでもらったりさすってもらったりしました。
苦労しながらも絶対安静の時間も過ぎ、朝になりました。
私の昼食が終わり主人が昼食を食べにいくというので、少し寝る事にしました。
起きると大変な騒ぎになっていました。
後で主人に聞いたのですが、主人が食事から帰ってくると病室は空で看護師さん達が大わらわ!
私の意識レベルが下がったとナースセンターの隣室へ移動されていたそうです。
つねってもあばら骨の間をグリグリしても目を覚まさない私を心配して大騒ぎだったそうです。
その日は土曜日で担当のM先生がお休みの日だったので、NCUにつれて行こうかという話にまでなっていたそうです。
まずCTをベッドに寝かされたまま撮りに行きました。
その後、みんなの心配をよそにのんきに目覚めた私は「なんで起きなかったの?」という質問にも 「だって眠かったんだもーん」としゃあしゃあと答えたのでした。
お休みだったM先生がいつの間にか私服のまま病室に来ていました。
先生、お休みの日をつぶしてごめんなさいっ!
MRIをまたベッドに寝たまま撮りに行き主人が先生の説明を聞きました。
やはり血栓が飛んで右脳の一部に梗塞があるそうでそのせいで意識レベルがさがったのでしょう。
麻痺が出ていないのでとりあえずは大丈夫だと説明されました。
その日は主人が東京に帰る日だったのですが、急遽延ばすことになりました。